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zoom RSS 僕にはわからない 中島らも 講談社文庫

<<   作成日時 : 2009/04/15 01:24   >>

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宇宙のほんとのとこはどうなってるか
このエッセイを始めるきっかけになったのは、ある日の朝日新聞の読者等高覧の投書である。70歳くらいのおじいさんからのものだったが、内容をかいつまんでいうとこうである。「宇宙は膨張している、ということをよくきく。膨張するということは何かとの対比においてふくらむのだと思う。また、ふくらんでいくということは何かに対してふくらんでいく、その境目があるはずだ。ではその境目の外側には何があるのか。宇宙の外側には何があるのか。いい年して恥ずかしいことだが、誰かこの年寄りにもわかるように教えていただきたい」
これを見て僕は手をうった。そうか、やっぱりそうだったのだ。みんな知らないのだ。知らないけれど、なにか「大人同士の暗黙の了解」のようなものがあって、「それは言わない約束でしょ?」みたいなことになっているのだ。これがたとえば回答不可能であるか、あるいは逃げのノウハウが確立されているような問題ならばこの手の不文律はない。
「失恋してしまいました。この苦しみから逃れる方法はないでしょうか。」といった紋切り型の悩みにはこれも紋切り型の必殺回答技がある。
「きみ、つらいだろうが、それが人生というものなんだよ」
この「人生」さえ使えばたいていのことは逃げ切れるのである。受験に失敗しました─それが人生だ。両親が離婚しました─それも人生だ。彼女とDまでいってしまいました─まあ、人生だとにかくね、きみ、人生なんだよ、ね?
しかし、このおじいさんn質問に対しては必殺の「人生固め」も効力を示さない。
「宇宙の外側はどうなってるんでしょうか」
「宇宙の外側もね、しょせんは人生なんだよ」
これではおじいさんでなくても誰も説得できない。宇宙の外側は「人生」なんかではない、と誰しもが思うからだ。

この書籍の冒頭はこのようなくだりからスタートです。もう、しっかり、私という読者の興味はつかまれてしまいました。そしてそのあとに

「わからない」ということがわからないのである。無知な者は勇敢である。そして、幸か不幸か、僕は決定定期に無知な人間なのだ。ただ、これまでの自分の年齢というものを考えて(いま36歳だ)、年相応にもののわかったような様子をとりつくろっていたところがある。

と続きます。
中島らもさんが1952年4月3日 - 2004年7月26日の人生を全うされ、(いま36歳だ)というくだりもありますから、おそらく1988年に書かれたエッセイでしょうね。
1992年12月、白夜書房より単行本で刊行され、1995年11月に双葉文庫で刊行されたものです

僕にはわからない (講談社文庫)
講談社
中島 らも

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