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zoom RSS 僕にはわからない 中島らも著

<<   作成日時 : 2010/03/17 13:42   >>

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伝記もののおかしなところというのは、まず人物の選択が「偉人」ではなくて「偉業を成し遂げた人」という尺度で選ばれていることだ。発明や変革などの社会的貢献度の大きさによって人物が選ばれる。その「偉業」をほめたたえるだけでは「教育的」ではないので、その人物の幼少時や青年時のエピソードを必死になって発掘し、スポ根マンガまがいの苦労談や「ワシントンは桜の木を切ったことを正直に父に白状しました」風のくだらないエピソードが付け加えられる。偉業を成し遂げた人間、すなわち人格者という図式をむりやりに作ってしまうのである。それも不可能なくらい「ヤな奴」だった場合は、根性もの路線で通してしまう。「この人はこんなに頑張りました。だからこんなに偉大なことを成し遂げることができるのです」といったエピソードを羅列するのである。勉強ばっかりしていたので、こんなに世間知らずの専門バカの利己主義のいやな奴になりました、みたいなことは完璧に削除されている。

結局、偉業をなしとげる人の人格というのは決定的にどこかおかしい。社会常識などには目もくれずに己れの感心ごとのみを追求できる正確だから偉業もできる。人格のバランスがどこかで大きく歪んでいるのだ。偉人伝に加えられるかどうかは、その偏執事が社会的に成功したかどうか、唯一それのみにかかっている。「功成り名を遂げる」ことが人生のお手本みたいに言われると、結局プラグマティズムだけが世界の原理であるような錯覚にとらわれてしまう。
若い頃、本屋をのぞいていて「ガガーリン」の伝記が出ているのを見て驚いたことがある。ガガーリンは宇宙を飛んだが、尊敬すべき人なのかどうか、僕は知らないし知りたくもない。もっと尊敬すべき人が身のまわりにウヨウヨいるからだ。

僕にはわからない (講談社文庫)
講談社
中島 らも

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上記、本書の"「偉人」は何がエラいのか"から抜粋しました。
1992年12月、白夜書房から単行本で刊行され、1995年11月に双葉文庫で刊行されたものを講談社からは2008年11月14日に発行されたものです。
さすがは、らも先生、着眼点が素晴らしい!約1年前に読み終えたこの本、1年前の感動が蘇ります。
中島らも先生、私にとっては尊敬すべき方です。
名著がたくさんあります。
今夜、すベてのバ−で (講談社文庫)
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