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zoom RSS "ギフト"の問題 飯田譲治 岩波ブックレット

<<   作成日時 : 2010/03/01 17:35   >>

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人間が存在する限り、残虐性であったり、ストレスによる殺人行為であったり、暴力というものにひきつけられて何かをやってしまう人は、パーセンテージとしては明らかに存在している。しかし、その人たちが直接的にテレビに影響されて殺人を犯すことはあり得ない、ということ。テレビによって凶器を選ぶことはあるかもしれない。テレビによって方法論を考え出すことはあるかもしれない。テレビを言い訳に使うことはあるかもしれない。だけれども、殺人という行為に関しては、何かの影響でするということはありえない。その人に、殺人という行為へのエネルギーがなかったらやらないし、あったらやる。そこをちゃんと考えて欲しい、という言い方をした。

人を裏切れない人間で、究極のところでは絶対に誰かを守っちゃう。僕は、それが「いい人間」だと思う。罪を犯すから「悪い人間」であるとは、単純にはいいきれない。もちろん犯罪はいけないことだけど、それとまったく違う、何か人間同士の接触の中で誰かを傷つけたり、迷惑をかけたくないという、自分のモラルで動いていく人間が好き。僕は男の子に見せるドラマとして、そういうものをやりたかった。
もう1つは、恋愛ドラマに出てくる男って、ほんとの男じゃないような気がして。男はもっと下品だし。そういうことが全部語られていない。それは正しいことだとも思うが、少女マンガの実写晩みたいなドラマがすごく多い。そいうものじゃない、もうちょっと本音の中から出てくる人間関係であったり、男女関係であったりするもの。地に足がついている、というよりも、ちょっと跳んでるもの、跳ねてるものを作りたかった。

「殺してもいい」と思うということは、「自分が殺されてもいい」ということとイコールだと思う。世界観として。人が人を殺す世界を肯定するということは、いつか自分が殺されても致し方ない。誰かが誰かを殺した、その人間を罰するためには殺さなければならない。その世界観を肯定できるか。そういうレベルの世界に自分が身を置けるか、置けないか。
「私は何があっても人を殺さない」と思っている人は、やっぱり自分も「何があっても殺されない」と信用して生きられるだろうし、そういう世界観の中でその人の世界が広がっていくと思う。自分のいちばん信頼する夫が人を殺したという事実を背負いながら幸せになることと、自分の夫は人を殺さなかったという事実を認識してその後の世界を行き続けることとでは、残された者の意識というのはまったく違うというのはまったく違うと思う。どんなに追い詰められた状況であっても、人を殺す行為を否定することが心の平穏、本当の幸せを人間にもたらすんだということを描きたかった。どんな状況であっても、殺人を肯定したくない人間が世の中には確実に存在すると思うし、僕もその一人。
僕は、リベンジ(復讐)のための殺人さえも否定していくべきだと思っている。それは弱さではなくて、本当の強さだと思う。
マイナスのエネルギーというものは、どこかで消化しない限りずっと残ってると思う。誰かに何かひどいことをされた、肉親を殺された、あいつを殺したい。つまりもうそれは、マイナスのエネルギーが殺人という行為によって被害者に伝染してるわけ。で、その人はずうっとマイナスのエネルギーを持ち続ける。「あいつを殺したい、あいつを殺したい」とずうっと思い続ける。そして殺す。するとそこにまた、マイナスのエネルギーが生まれる。どんどんマイナスのエネルギーが広がっていく。殺人という行為はそういう行為だと思う。
それを断ち切るためには、そこかで「赦す」という感情をもたないと、殺人におけるマイナスのエネルギーがどんどん蔓延していってしまう。それがわかっている人間は、絶対にそれをとめるはず。殺人という行為を否定する。そういう感情を描きたかった。「こんなに何をやってもいいという状況がありながら、私にはそれができない」という人間。自分が死ぬと分かっていても、何かに対するやさしさというものがどうしても捨てきれない人間。そういう人間というのが確実にいるんだということを、あの話でみんなに伝えたかった。

利益、人をふみつぶす、人を殺す、なんとも思わない、という意識の中で行き続けている人間で、ビルの屋上から撃った人間というのもその世界に生きている人間。
今回の騒動に巻き込まれて感じたのは、リベンジというものを否定して、なんとかしてプラスのエネルギーに転化しようという意識をもった作品が、実はこの社会にスポイルされるものなんじゃないか、ということ。そこまで発想がいってない。「何で殺さないの?いいじゃん、殺せば。撃っちゃいなよ」という人が多いんじゃないか。そんな感覚にとらわれた。

TVドラマ"ギフト"の問題―少年犯罪と作り手のモラル (岩波ブックレット (No.455))
岩波書店
飯田 譲治

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上記、著書より抜粋しました。インタビュー形式で聞き手は西出勇志さんです。
ちなみに本日3/1は飯田譲治さんの誕生日です。おめでとうございます。

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