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<<   作成日時 : 2010/05/01 10:46   >>

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ボックス! 上 (文庫) 百田 尚樹 (著)
http://take-it-ez.at.webry.info/201004/article_30.html
をなんとか読み終えて、勢い、下巻も読みました。下巻になるとこの本の読み方がわかってきました。
ボクシングのスパーリングやマスボクシング、また試合においての描写を軽く読み過ごすということが大切なのだと気づきました。描写では「相手の左ジャブを内側へヘッドスリップしてかわし、続けざまの左ジャブをスウェーでかわすと、カウンタの右ストレートをうち、左へサイドステップして・・・」などと、映像でみれば一瞬ですむことが、文章によると理論的というか物理的に理解をしなければならないということです。文字が大きい割には、読み進めないと思っていたら、そういうことかと納得です。
さいきん、映画と原作というものの見比べていて、この「ボックス!」においてはなるほど映像化のほうが理解しやすいかな。

ボックス! 下
太田出版
百田 尚樹

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「高級学校という名前もそのためです。高等学校という名称を使えないからです。同様に小学校は初球学校、宙学派中級学校といいます。でも、多くの同胞が頑張って、同じ高校生じゃないかということで、高体連に出場を認められて、1994年からインターハイに出られることになったのです。そして国体にも2006年から出場できるようになりました」
「なぜ高等学校と認められないんですか?」
金監督は少し困った顔をした。
「挑戦学校の教育で一番重きを置いているのは民族教育です。朝鮮民族の言語、歴史、文化をしっかり次世代に伝えていこうとしています。当然、使われる教科書も朝鮮語のものです。文部科学省の検定を通った教科書ではありません。また教師も同じく日本の教員資格を持たない人がいます。他にもいろいろありますが、そうした面で各種学校扱いになっていたのです」

「朝鮮籍の生徒さんが過半ということは、生徒は増えてるんですか?」
「いいえ、減ってます」
それは意外だった。
「やっぱり。時代の流れでしょうね。もう三世、四世の世代ですから」
「拉致問題も影響はありました?」
耀子はいってしまってから、この質問はするべきではなかったかなと思った。しかし金監督は言葉を選ぶように「少なくはないと思います」とだけいった。
耀子はそれ以上は政治的な話を避けた。

「サッカーとかラグビーで芽が出なかった子がボクシングを始めるのですか?」
「中級学校のサッカー部やラグビー部で一流だった子がボクシング部に入ってくるケースもありますから一概にはいえませんが、サッカーやラグビーで一流になれなかった子がいるのはたしかですね。その子が運動能力で劣るというのでhくぁないですよ。どんなスポーツにも向き不向きがありますからね。
もう1つ。性格的に団体競技に向いていない子というのもいます。だから、そうした子たちはある意味、背水の陣みたいなとこはありますね。このスポーツでダメだったら終わりだ、みたいな。うちの部の練習は相当きついですが、それでもついてくるというのは、そういう精神的な強さというのもあります。もちろん最初から格闘技が好きでたまらなくて入ってくる子もいますが、そういう子は当然真剣に練習をしますからね」

「運動神経が優れていて、フィジカル的に恵まれている少年は、どんなスポーツをやっても一流アスリートになれます。でもボクシングで成功するには、闘争心と耐久力の2つがないと大成しません。これは、普通のスポーツの闘争心とは違います。もっと原始的な、何がなんでも相手を打ち倒してやるという文字通りの闘争心です。それと強打を打ち込まれても耐え抜く肉体と精神力です。パンチをもらって折れてしまうような心ではボクシングはやれません」

「何で朝鮮人が国体に出られるんやって聞いただけやのに。
オレは別にどっちでもええもん。ただインターハイは高校生しか出られへん大会やから国体は日本人しかあかんのかなと思ただけや」
沢木がやってきて、「複雑に考えるな」といった。
「国民とかややこしいこと考えんと、日本におる17歳以下のアマチュアナンバー1を決める大会やと思たらええやないか。だから社会人でもフリーターでも誰でも出れる大会や」
「ほな、この大会に勝ったら日本一やな。インターハイ優勝よりも上やな」
ようやく一件落着したようだが、耀子は先が思いやられると思った。

「もともとボクサというのは全部ファイターやったんです。ボクシングは18世紀のイギリスで復活してからも長い間、不死身比べみたいなところがありました。互いに足を止めてがんがん打ち合って、どっちのパンチが強くて、どっちが頑丈かが勝負みたいなところがあったといわれています。当時はベアナックル、素手で打ち合っていました。
ベアナックル時代の最後のヘビー級チャンピオンが19世紀末に活躍したジョン・L・サリバンです。サリバンは同時にグローブをはめて戦う最初の世界ヘビー級チャンピオンでもありました。当時、無敵の英雄で、カリブの海賊のボスとも戦って殴り殺したというエピソードもあります。あまりの強さに何年も挑戦する者が現れなかったのですが、1892年元銀行員だったジェームス・J・コーベットという男が挑戦したのです。
痩せた男だったといわれていますが、このコーベットとサリバンが戦った試合がボクシングの歴史を変えたともいわれています。それはコーベットがこの試合で使った戦法がこれまでになかったまったく新しいものだったからです。
フットワークです。コーベットはサリバンが打ち合おうとして近づくと逃げ、サリバンが立ち止まると、さっと接近して細かい左ジャブを当てて、サリバンが打ち返そうとすると、また足を使って離れるというヒットアンドアウェーの作戦で戦ったのです。完全にコーベットに翻弄されたサリバンは血だらけにされて21ラウンドにノックアウトされました。
でも勝ったコーベットはヒーローに離れませんでした。当時の観客には卑怯者の戦法といわれて、まったく人気はなかったようです。」

「ルールに文句あるんやったら最初から出るな。それにな、ジャッジが信用でけへんのやったら、ジャッジなんかに試合をまかすな。ほんまに強い奴は、おのれの拳がジャッジや!」

「優しい心を持ってたんでは頂点には上がられへん。この世界は相手を殺すつもりで戦う奴やないとあかんのや」

「あいつにはハングリーなもんがない。なんちゅうか、心の奥にどろどろした怒りとか、這い上がりたいとかいうもんがないんや。それがあいつの限界やな。きつい練習についてきたんも、ただゲームに勝ちたいいうだけやったな。高校に入って練習選でも勝てるとなったらさぼりだしだしたんやろう」

「人は苦労して一所懸命に努力して手に入れたものは、決して簡単には手放さない。でも、あの子はボクシングの強さを簡単に手に入れすぎたのよ。たいした苦労も努力もせんと、ね。だからあっさりと捨てられたのよ。
才能というのは両刃の拳やね。
もう1ついうとね、才能のある子は努力の喜びを知らない子が多いのよ。できないことができるようになる喜びを知らない。ある意味でそれは不幸なことやと思う」

「鏑矢君よりも才能があるのは、あなたよ。
木樽君は前に、練習が好きといっていたでしょう。
本当の才能というのは、実は努力する才能なのよ。努力といっても、苦しんで苦しんでしんどい思いを克服してやるのは違うの。さぼりたい気持ちを押さえつけないと努力できない人は才能がないの。本当の天才って、努力を努力と思わないのよ。
それを楽しいからする、好きだからする、面白いからする、という人が本当の才能の持ち主なのよ。」

「たしかに才能というのは地価に眠る鉱脈みたいなもんですね。ゴルフに限らず、押さないときに何かの英才教育を受けていれば天才になっていたという人は少なくないでしょう。もしピアノをやっていたら天才ピアニストになったり、野球をやってたらイチロー以上になったりした人がいるかもしれません。ただ、実際にはほとんどの人が、その自分の中にすごい鉱脈が眠っているのに気づかんと一生を終えるんやと思います」

「青は藍より出でて藍より青し」

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